一般的にふるい分けの基本は、網を振動させることによって、原料の粒の大きさを選別したり、異物の除去を行います。振動ふるい機の運動原理は、モーターおよび振動体によって水平·垂直·斜めの動きを発生させ、網上の原料を効率よくふるい分けするものです。加えて、振動体に取りつけたウエイトの位相調整によって、ふるい面での原料の流れ具合を最適コントロールすることができ、ふるい分けの原料(粒度·比重等)に合わせた効率の良いふるい分けを可能にしています。
振動ふるい機は基本的に、ふるい面を中心にして振動するもので、その振動は振動体の両軸端につけたウエイトにより発 生するものです。上部アンバランスウエイトの回転は、ふるい面の水平振動発生させて、ふるい面の中心に供給された物質を回転方向に移動させる役目をします。下部アンバランスウエイトの回転は、ふるい面の垂直振動を発生させて外周方向に移動させる役目をします。つまりこれらの振動が合成されて、ふるい面に三次元運動を起こすわけです。上部アンバランスツエイトに対する下部アンバランスウエイトの位相を変えることにより、振動の性質が変化し、処理物の性状に適した運動を得ることができます。
各部名称と特長
① モ一タ一
モ一タ一は、汎用モ一タ一を使用しており、安全增防爆形(eG3)、耐圧防爆形(d2G4)、屋外形、いずれも一般市場にて販売されているものを使用しており、メ一カ一は問いません。
② 振動体
振動体は一般的な円型振動ふるい機とは異なり、汎用モ一タ一を使用し.簡単な軸継手と堅牢な振動発生機構を駆使して、円型ふるい機の特長である三次元運動(水平、垂直、傾斜)を効率的に発生させることに成功した、従来にない画期的な構造です。
③ 台座
ふるい台座は、めっき業界では東洋一と言われる当社、社内で鋼材に腐蝕に強く、傷にも強い溶融亜鉛めっきを施し納品しており、好評をえております。オプションとしてステンレス材および塗装仕様についても対応しております。
④ 振動体ベース
振動体ベースは、従来の円型振動ふるい機に見られた溶接構造ではなく1枚板(鋼材)を大型プレスにて成型してあり、シンプルな構造にまとめ、また、ふるいの振動に十二分に耐え得る構造にしてあります。
⑤下枠
下枠は、固定枠として、上記振動体ベースにしっかりとボルトで固定して、トラプルの発生しない構造をしております。
⑥上枠
上枠は、内リングタイプ、アウトリングタイプ、カセットタイプとありますが、ふるい機をしっかり固定し振動に耐え得る構造になっております。
⑦枠受スプリング
枠受スプリングは、金属表面処理総合メーカーである当社内の他工場にて鋼材にDKコート(ナイロンコーティング)を施し、振動により発生する金属音を防ぎ、腐蝕、摩耗により強い構造となっております。
⑧ Vベルト
モーター回転運動を振動体に連結すベくセットしてあり、Vベルトの張り調整、取替え等、は
モータ一側にVベルト調整ボルト、ナットがセットしてあり簡単に調整できる機構になっております。
⑨ 駆動スプリング
モ一タ一回転運動を振動発生装置(振動体)に連結すベく、駆動スプリングは、特殊鋼により作製されたコイルスプリングであり、10,000回の起動、停止(ON,OFFを1回として10,000回の起動、停止)に耐える材質を使用しております。
⑩ 上部アンバランスウエイト
上部アンバランスウエイトは、振動ふるい機の三次元運動のかなめである水平運動を発生させる重要な部分であり、各ふるい機のサイズ、段数によりそれぞれウエイトサイズをとりそろえ、各機械にセットしております。
⑪ 下部アンバランスウエイト
下部アンバランスウエイトも上部アンバランスウエイトと同じく、ふるい機の三次元運動の要となる一方の垂直運動を発生させる部分であり、またふるい分けの効率を左右する重要ポイントであり、従来の振動ふるい機と異なり、ふるい面の運動を調整する方法は、非常に簡単に調整できる様に調整目盛りがセットしてあります。
⑫ V車
V車は、モーターの回転を振動発生部に連結する重要な箇所であり、しっかりとふるい台座に固定し、無給油にて連続運転に耐える構造となっております。
⑬ フタ
フタは使用用途により、乾式(微細粉の飛散を防止した密閉式)と湿式<スラリ一製品>(水洗、点検の簡単なオープン型) とあります。
⑭ バンド
バンドは、下枠、上枠をしっかり固定しなければならぬ箇所であり、従来のふるい機のバンドと異なり、強度を増した、しっかりとしたバンド作製をいたしました。
KOWAふるい3大ポイント
一、汎用モ一タ一:
粘度の高いスラリー(湿式)原料もふるえます;
比重の軽い乾式原料もふるえます;
安全增防爆型(eG3)、耐压防爆型(d2G4)に対応;
良品、不良品の差が極めて少ない場合もふるえます。
KOWAのふるい機は振動モ一タ一を使用せず、汎用モ一タ一を使用することにより、振動体とモ一タ一を分離させています。
そして、振動体に上下のウエイトをつけることで、水平·垂直·斜めの動きの3次元運動が可能になり原料の性質に合わせた処理ができます。
また、振動ふるい機にインバ一タ一制御を組合わせることで・それぞれの原料に最適な振動数に調整することができます。
※インバーターを使用する場合は当社にご相談ください。
二、强力型:騷音10%ダウン、2~4倍の処理能力
よりスピーディ・確実・高精度にという市場ニーズに応えるKOWAふるい機KGシリーズ。
従来の機種より振動加速度を2倍にすることで、これまでの2~4倍(当社比)のふるい性能を実現しています。
しかも原料に応じて振動パタ―ンを変えることもできます。
また、従来機では弾まなかった網の上のタッビングボ一ルも、振動速度を向上させたことで弹むようになり、目詰まりも解消されます。
構造は強固、さらに騷音も従来機の10%ダウンを実現して環境に配慮しました。
三、リバ-ス:95%以上の分級·排出
通常ではふるい機内の原料は、排出口に合わせて時計回りに流動してふるい選別されます。
リバース機能では、ふるい分け時(反時計回り)と排出時(時計回り)とで原料の流れを逆転させ、その繰返し運転を行うことによって、最も効率的に95%以上の完璧に近いふるい分け・排出を可能にしました。